自信と勇気を持って、一歩前へ進め!

■心理学者が教える男女差

『なぜ女は昇進を拒むのか』
  スーザン・ピンカー/早川書房

職場に男女格差がある原因を気鋭の発達心理学者の著者が最新の脳・ホルモン研究などの科学的知見に基づきながら紹介。そのなかで、「昇進」の話を喜ばない、むしろ尻込みする女性社員(インポスター症候群)が多いことに触れている。「求人に応募したり自分がやると手をあげたりするとき、女性は100%確信がなければいけないと思う。一方、男性は50%の確信があれば、あとは“ハッタリ”でやれる」。アメリカの女性だけでなく、日本の女性にもそうした過小評価の傾向があることを知れば、キャリア構築の参考になる。

■女・半沢直樹的な生き方に共鳴

『この女(ひと)に賭けろ』
  周 良貨、夢野一子/モーニングKC講談社

都市銀行で働く女性総合職1期生の主人公が大胆な発想と行動力で、業績不振の支店の立て直しを皮切りに男社会の銀行で活躍する様子を描いた作品。「いい意味でKYな女性主人公ですが、しっかり結果を出します」(田島氏)。「急ぐときほど、ゆっくり歩く」など名台詞も多い。全15巻。

■HP初の女性トップの半生

『私はこうして受付からCEOになった』
  カーリー・フィオリーナ/ダイヤモンド社

「哲学・歴史専攻」「ロースクール中退」というパッとしない学歴ということもあり、不動産会社の受付からキャリアをスタートさせたもののヒューレット・パッカード(HP)のCEOにまで上り詰めた著者。多感な少女時代、最初の結婚、離婚のこと、仕事上の挫折などを包み隠さず書いている。

■20代「前のめり体験」のススメ

『働く女性28歳からの仕事のルール』
  田島弓子/すばる舎

子育てや親の介護など、年齢が上がると女性は仕事の制約が増える傾向にある。そこで、20代のうちに「とことんのめり込む経験を」というのが著者の考え。「やらされ感ではなく」「自分が頑張れる内的動機を見つける」「行動目標を小さなゴールに分けて今やるべきことを明確にする」ことなどを提案。

■女性ならではの強みを生かす

『働く女性!リーダーになったら読む本』
  太田彩子/日本能率協会

20代後半~30代半ばのチームリーダー~初級管理職の女性向け。著者は、元リクルート社員でトップ営業に輝いた女性。「男性と同じやり方ではよいリーダーにはなれない」が持論。やる気の引き出し方、トラブル解決などを「女性ならではの強み(共感性、協調性など)」を生かし解決する方法を伝授。

キャリアコンサルタント 田島弓子
キャリアとコミュニケーション支援事業をするブラマンテ代表取締役。1999年にマイクロソフト日本法人に入社し、Windowsの営業・マーケティングに一貫して従事。当事、その分野では数少ない女性の営業部長を務める。2007年に、ブラマンテ設立。女性の中間管理職を増やすための講演やセミナーも開く。
(大塚常好=構成 堀 隆弘、キッチンミノル、早川智哉(本)=撮影)
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