正々堂々と異論を表明するのが武士道

自衛隊の航空幕僚長が政府見解とは異なる意見を表明した論文を公表し、解任されるという出来事が起こった。この出来事は、部下の異論をどこまで許容するべきかという、組織の基本問題とかかわっている。今回は、この基本問題について考えることにしよう。

この基本問題についての常識的な考え方は、組織全体の目的や価値にかかわることは組織の上層部で判断し、組織メンバーはその決定を前提として受け入れ、手段の選択、事実についての判断に専念すべし、というものだ。政治の世界での立法と行政の分離、企業組織における経営と執行の分離は、この常識をもとにしている。

組織論の分野では、話はそれほど単純ではないということが認識されてきた。組織で働いている人々はそれぞれの意見を持っている。上司や執行部の判断が正しいという保証はない。かといって部下が勝手に反対意見を表明したのでは組織的な協働は難しい。そこで問題となるのは、どこまで組織メンバーの異論を許容するかという、組織設計の基本問題の1つである。