人気の理由は「就職力」にあり
センター利用入試を実施せず、一般入試1回だけの昔ながらのオーソドックスな入試を実施してきた。今年の入試では志願者は787人、5.8%増加し1万4453人となった。4学部中、文学部だけが志願者減となったが、13年に人気の高い教育学科を新設し志願者が増えた反動で減少したと見られる。
その学習院大の合格者高校別ランキングでは、1都3県(埼玉、千葉、東京、神奈川)の合格者がベスト20を占めた。全合格者に占める1都3県の割合でも10年前の75.4%から、今年は83.5%に上がっている。首都圏の大手大学で8割を超えているのは上智大と学習院大の2校だけだ。
キャンパスは東京の都心、交通至便の山手線の目白駅のそばにあり、4年間同じキャンパスで学べることが、1都3県の割合の高さに大きく影響しているようだ。ランキングを見てもベスト20に埼玉の学校が12校ともっとも多いのも、通学しやすさからと見られる。他でも1都3県からの合格者の割合が高い日本女子大(79.4%)、立教大(77.6%)も学習院大のすぐ近くにある。やはり、この地区の大学は、通いやすさから狙われている面も大きいと見られる。
それだけでなく学習院大が人気の理由のひとつに、就職に強いことがあげられる。今の受験生の大学選びは、就職を考えながら選ぶのが一般的だ。学習院大は特に有名企業に強い。大学通信は各大学に、学生に人気の高い企業、日本を代表する企業など400社への就職者数をアンケート調査している。その有名企業400社への就職率(400社への就職者数÷<卒業生数-大学院進学者数>×100)で見ると、学習院大は26.4%で全国14位に入っている。首都圏の私立大では慶應義塾大、早稲田大、東京理科大、上智大、東京女子大、津田塾大に次いで7位になる。MARCH(明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大)よりも率が高いのだ。就職者が多いのは三菱東京UFJ銀行46人、みずほFG29人、三井住友銀行27人など、学生に人気の金融に強い。