<strong>ケンドーコバヤシ</strong>●1972年、大阪府生まれ。愛称「ケンコバ」。「アメトーーク」(テレビ朝日系)に「餃子の王将芸人」としてゲスト出演した。王将を愛してやまず、「山手線全駅、王将2店舗計画」を提唱中。
ケンドーコバヤシ●1972年、大阪府生まれ。愛称「ケンコバ」。「アメトーーク」(テレビ朝日系)に「餃子の王将芸人」としてゲスト出演した。王将を愛してやまず、「山手線全駅、王将2店舗計画」を提唱中。

僕、柔道部やったんですけど、関西圏の運動部の中学生や高校生は練習後必ず、王将に寄ってます。「学生セット」みたいなメニューがあって、ラーメン、半チャーハン、餃子とかがセットで500円前後で食べられたんです。毎日のようにそれ食って、家帰って、晩飯を食べてました。

だから「王将が好き」というのは「鳥が飛ぶ」とかいうことに近い。「なんで王将が好きか」というのは、「なんで鳥が飛ぶんや」みたいな。好きとか超越して、あえて言うなら、嫁はん感覚。気取ってないところがいい。ずっと入り浸って酒ばっかり飲んでるオッサンと中学生を平等に扱ってくれる。オッサン的にも気持ちいい、中学生的にも気持ちいい。

驚くべき敷居の低さで、何らまたぐものがないんです。だから、最初のバリアフリーみたいな感じですよね。

王将へ行ったら、「ワンバン食い」はぜひみんなしてほしいですね。ご飯と餃子を頼んで、餃子にタレをたっぷりつけて、ご飯にワンバウンドさせて食べる。それを何回か繰り返したら、そのタレが染み込んだご飯をかきこむ。

だからこれ、コメというものが持つ、衝撃吸収性とか弾力性があってできる技です。王将って、ご飯を盛るときにクックッてちょっと詰め気味に盛られてるから、やりやすいんです。高級和食屋みたいに、ふんわり盛られていたらご飯の中に餃子がクッて入っちゃう。

あの、僕、案外好きなのが揚げ物のチューリップ。あれがねぇ、うまいんですよ。それにはワナがあって、そのワナにあえて引っかかるんです。チューリップの骨の部分が、持って食べやすい感じに思えるんですけど、指がベッチャベチャになるうえに、床もベッチャベチャですから。ただでは帰れないのが王将ですね。「あれ!? なんか俺、1日中外歩きしてたんかな」みたいな感じになります。

東京と関西の王将の違いは天津飯ぐらいのもんです。お仕事とかで関西方面へ行くことがあれば、いつもと違う天津飯を食べてほしいですね。

「あ、これが関西の天津飯か」と、食べたらうまいですから。

(小澤啓司=構成 尾関裕士=撮影)