「これからのビジネスパーソンにぜひ読んでほしい」――。働き方のカリスマ、リンダ・グラットンさんが紹介する「未来が見える本」。
※第1回はこちら(http://president.jp/articles/-/13342)
※第2回はこちら(http://president.jp/articles/-/13364)
グローバル化―不安定な世界でレジリエンスを発揮するには
■国家はなぜ衰退するのか
ダロン・アセモグル、ジェイムズ・A・ロビンソン/早川書房
世界には確かに豊かな国と貧しい国が存在する。何が両者の違いを決定するのか。権勢を振るった国家がなぜ没落するのか。地理的要因や気候、文化の違い、政治的主導者の資質は実は些事にすぎず、決定的な要因となるのは政治・経済上の制度である。MIT教授とハーバード大学教授がタッグを組み、古代ローマや幕末の日本といった史実から、現在進行形の世界的な動向まで、奥行きのある視点で国家盛衰のメカニズムを解き明かす。あらゆる国家において、人材や政治、制度がその運命を決定するのであれば、それは組織・企業論にも応用できる。変化が求められる時代の水先案内人になり得る本だ。
■フォールト・ラインズ
ラグラム・ラジャン/新潮社
リーマン・ショックを予言していた著者が、精緻な分析により、その本質をあばく。危機の種はついえていない。
■プレニテュード
ジュリエット・B・ショア/岩波書店
旧来の価値観は過重労働と過剰消費の悪循環を生み出した。新しい豊かさ=プレニテュードが希望の光となる。
■ネクスト・マーケット
C・K・プラハラード/英治出版
40億人ともいわれる「貧困層」。彼らの圧倒的な市場を獲得するために成功した企業の実例を紹介する。