Q5. 98%正確な検診で「がんの疑いあり」と出た
父さん「かあさん、同期のYさんが98%正確といわれるがん検診で『胃がんの疑いがある』と診断されてね。ひどく落ち込んでいるんだ。かわいそうに」
母さん「あら、大変ね。でも、まだそんなに悲観することはないと思うわよ」
→ 母さんが落ち着いている理由は?
A. 母さん「例えば、1万人が98%正確な集団検診を受けたとして、そのうち、50人(0.5%)が実際に胃がんだとすると。
●実際に胃がんである50人×0.98=49人⇒疑いありと診断(1)。残り1人⇒疑いなしと診断(2)
●実際は胃がんでない9950人×0.98=9751人⇒疑いなしと診断(3)。残り199人⇒疑いありと診断(4)
胃がんの疑いありと診断されたのは、(1)と(4)のグループの49+199=248人よね。(4)の199人は実際には胃がんではないから「胃がんの疑いあり」と診断されて、実際に胃がんだという人は、約20%(49÷248≒0.2)ほどなのよ」
父さん「そうか、98%胃がんなのかと思ったよ。心配だけれど、思ったより悲観しなくていいんだね」
(野口哲典=問題監修)