身の回りにあふれる「数字」には、意外や「常識」や「直感」と「結果」が異なるケースが少なくありません。「数の感覚が鈍感なために、大きな勘違いをして損をしてしまうことは少なくないのです」と、問題を提供していただいたサイエンスライターの野口哲典さん。クイズは前編・後編あわせて10問。さて、あなたの数字の感覚は?
Q6. 同じ誕生日は運命の出会い?
父さん「かあさん。また会社で失敗しちゃったよ」
母さん「どうしたの?」
父さん「C美さんが誕生日だったんで、ランチをごちそうしてオフィスに戻ったら、D子さんも誕生日だったんだってさ。C美さんを贔屓しているみたいじゃないか。20数人の部署で同じ誕生日の部下がいるなんて思わなかったよ」
母さん「あはは。C美さん、美人だものね」
→ 同じ誕生日の人がいる確率が半分を超えるのは何人?
A. 母さん「23人いれば、だいたい5割の確率で同じ誕生日の人がいるものよ。あら、納得できないって顔してるわね(笑)。例えば、2人が同じ誕生日である確率は、1/365。逆にいえば、誕生日が同じでない確率は364/365。3人の誕生日が一致しない確率は364/365×363/365となるわ。以下、23人までそれぞれ一致しない確率を掛け合わせていけば、23人全員の誕生日が一致しない確率になるのよ。それを1から引いたものが、『少なくとも1組は一致する確率』ということだから、計算すると、だいたい51%ね。
式:{1-(364/365)×(363/365)×(362/365)……
×(343/365)}≒1-0.49≒0.51
この式から計算すると、60人以上集まれば、99%以上の確率で同じ誕生日の人がいるということもわかるわ」
父さん「へえ、365人いなくてもいいのかあ」