○平均寿命。人生の残りはあと何年?
2013年3月発表の日本人男性の平均寿命は、79.44歳(女性は、85.90歳)ですが、現在50歳の男性なら、平均してあと29.44年生きられるという意味ではありません。平均寿命は「平均」という言葉を使っていますが、すぐに思いつく平均(すべての値の合計をその値の数で割る算術平均)ではありませんし、数学的な他の平均とも異なる計算を行います。この計算によって求められた性別ごとの各年齢の余命を、便宜的に「平均」余命と呼んでいるのです。「平均寿命」とは、0歳児の平均余命を指しています。ちなみに、同発表によれば、50歳男性の平均余命は、31.99歳です。
○水中の湿度は100%?
天気予報などで耳にする湿度とは相対湿度といい、「ある気温における空気中に占める水蒸気(水の気体)の割合」のことなのです。すなわち、水中(水がすべて液化している状態)は定義に当てはまりません。湿度100%の状態とは、「水蒸気が飽和した状態」すなわち、「それ以上になると水蒸気が液化をはじめる状態」のことで、雲の中や濃い霧雨の中では湿度は限りなく100%に近いといえます。
○降水確率10%と90%。大雨はどっち?
降水確率10%と90%では、90%のほうが大雨になる気がしますが、雨の降る量という意味ではどちらも同じです。降水確率とは「ある区域内の一定時間内に1ミリ以上の雨の降る確率」のことで、10%というのは「同様な気象条件においては過去の統計で10回に1回1ミリ以上の雨が降った」という意味です。降っている時間の長さや範囲とも無関係です。表示は1%の位を四捨五入して10%刻みなので0%であっても雨の降る可能性はゼロではありません。
(野口哲典=問題監修)