アベノミクスはラストチャンス

――サントリーホールディングスの社長に新浪剛史ローソン会長の就任が決まるなど、プロフェッショナルな社長が日本でも登場してきました。サントリーは同族企業の代表格ですが、佐治信忠社長がグローバル化を推進する役割を担えるトップとして、外部の新浪さんを起用した形です。

日産副会長 志賀俊之氏

【志賀】今までは終身雇用の延長線として長年勤め上げたサラリーマンが、経営幹部や社長になっていました。しかし、これからは状況に応じて、プロの経営者を外部から招聘するケースは増えるでしょう。有力なサッカーチームが、監督や選手を世界から集めるのに似ています。しかも、決断された佐治社長は高級ビール市場を創出するなど、創業家出身のトップというだけではなく、真に実力のある経営者ですから。企業は人で決まるのです、間違いなく。

――理事長を務める日産財団でリーダーシップ養成講座を企画しています。その狙いは。

【志賀】グローバルリーダーの育成です。12月に開講しますが、米ペンシルベニア大学ウォートンスクールと早稲田大学ビジネススクール、そして日産が共同運営。ゴーンと私も講義を持ち、受講者と直接対話します。

今回これを企画したのは、2つの理由からでした。アベノミクスの第3の矢、成長戦略は、わが国が持続的に成長していくためのラストチャンスであると私は考えます。そのために重要なのが民間の活力。だから人づくりをしたいと思ったのです。もう1つは、自身の経験です。1997年にNECや花王など異業種の人たちと、GEのジャック・ウェルチについての勉強会を持ちました。社外との交流は大変な刺激となり、その後経営者になる私を支えた。それで、同じような開眼の機会をつくりたいと以前から温めていたからです。

――ケーススタディはNRP(日産リバイバルプラン)が中心でしょうか。

【志賀】NRPと、その後の中国参入のケースは盛り込みます。