──世界の自動車市場が拡大していくなか、EVはどんな位置づけに?
日産自動車会長兼CEO 
カルロス・ゴーン氏

ゴーン 市場の急拡大に対し、いままでのように(ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンの)内燃機関に完全に依存してしまうのは、地球環境の面から問題になります。ただし、(走行中は排出物ゼロのEVなど)ゼロエミッション車は内燃機関に取って代わることはできません。競合するのではなく、補完する関係です。

──環境技術を持つことは、世界で勝つための材料になるのか。

ゴーン 市場拡大を前に、日産は2つの責務を負います。1つは、世界市場でプレゼンス(存在感)を持つこと。もはや、「いやいや、ロシアには参入しません」とは言えません。プレゼンスを持ち、各国の自動車産業を発展させる責務がある。

もう1つの責務は、環境に関する技術をもち、実用化すること。低燃費なガソリンエンジン、クリーンディーゼル、HV、PHV、EV、そして将来のFCVと、日産はすべての技術を持っている。いずれにおいても世界トップクラスを目指し、(環境規制など)あらゆる要求に応えます。そのなかでゼロエミッション車は、極めて重要な要素です。新興国、途上国にも、EVを販売していきます。トヨタとBMWが提携しFCVを強化していくようですが、FCVは値段的にももう少し先でしょう。

中国でシェア10%、トップスリーになる

──中国で、日産は遅れて参入したのに上位だ。今後の展開は?

ゴーン いま、中国では4位メーカー(2011年でシェアは約6%)ですが、10%以上のシェアを確保して(VW、GMに次ぐ)トップスリーになるのが目標です。簡単ではないが、これまでの実績に加え、これからの(大連工場建設など)投資や商品計画によって、日産は成し遂げます。ルノーは将来中国で独自展開する計画です。