「G1首長ネットワーク」との連携も
── このほど一般財団法人Next Wisdom Foundation(ネクスト・ウィズダム・ファウンデーション)を設立し、楠本修二郎カフェ・カンパニー社長とともに代表理事に就任しました。財団の目的は?
【井上】大きくいえば「世界平和の実現」です。おおよそ55年後までに、世界中から紛争をなくしたいと思っています。そのための基礎として、世界中の人たちが自立して生きていけるような環境づくりが必要です。30年後をめどに、水、食料、家、医療、仕事、教育といった自立のために不可欠な要素を、地球上の誰もが安定的に得られるようにしていきたい。
大目標の実現に向けて、まずは人類の叡智を集めることから始めます。街づくりや人づくり、伝統文化、ライフスタイルといったテーマについて、8月から月に1回、経営者や芸術家、学者、スポーツ関係者といった各分野の有志に集まってもらい、何をすべきかを議論し、内外に向けて情報を発信するとともに、テーマごとに行動を起こしていきます。
──井上さんは個人としても、アフリカのベナン共和国で小学校づくりを支援するなど、「できることから」の精神で地道な活動を続けています。財団の活動は議論からスタートしますが、あくまでも実践を重視する?
【井上】はい。1回目の会合では自然との共存を可能にした日本古来の叡智を取り上げ、第2回以降は教育や街づくりについて議論していきます。そこに集っていただくのは、我々の理念に共感するだけではなく、ともに行動してくれる人たちです。それぞれの叡智を持ち寄ったあとで、テーマごとに分科会的な組織を立ち上げます。
今後、たとえば街づくりのテーマであれば行政とのコラボレーションが必要になります。その際には各地の知事、市長といった方々にも積極的に働きかけ、議論と実践に参画していただきたいと思っています。
私がこの財団の立ち上げを決意したのは、2年前、若手経営者や政治家の勉強会である「G1サミット」で楠本さんと熱く語り合ったことがきっかけでした。そのG1サミットから派生した「G1首長ネットワーク」には、私たちと志を同じくする知事、市長たちが集まっています。そこで、このテーマではまずG1首長ネットワークと連携していきたいと考えています。