燃える闘魂! あきらめない心

また、リーダーはどんな困難に遭遇しようとも、決してあきらめない人、ネバー・ギブアップを信条とする人でなければならない。ビジネスでは予想もしない困難やトラブルが起こる。そこで、すぐにあきらめてしまうリーダーでは、どんな事業も成功させることはできません。

私は常々「燃える闘魂」という表現をしていますが、様々な困難に打ち克ち、会社を発展させていくには、リーダーは格闘家にも似た闘争心を持ち、燃えるような闘魂で集団を引っ張っていかなければなりません。そういう意味では、リーダーはどんな困難に遭遇しようとも、決してあきらめない、不屈の闘志を持つことが必要なのです。

ではリーダーを育てるにはどうしたらいいのでしょうか。「褒めて育てるべきか、叱って育てるべきか」とよく聞かれるのですが、私はそういうことはあまり意識していません。いい判断をし、いいことをやれば、「それは非常にいいんじゃありませんか」と褒めるし、ダメなら「それはちょっとおかしいんじゃないか」と注意をします。経営幹部の中で、非常に未熟な者には厳しく叱ったこともありますが、いつも叱っていることはありません。

私は幹部も含めた全社員を愛し、みんなを幸せにしてあげたいという思いがあります。それをベースにしたうえで、幹部には会社に対する大きな責任があるわけですから、その責任に見合う仕事をきちんとやっていなければ、業績報告会の席上などで厳しく叱る。これは幹部個人の問題ではなく、大きな集団の幸不幸につながることだからです。

それだけにいい加減な考え方、いい加減な仕事ぶりであれば、とてもきつく叱ることもよくあります。特に判断の誤りが一つでもあれば集団を危うくするだけに、なぜそういう判断をしたのかを問い質すのです。

叱る判断の基準となるのは、経営者の立場から見ると、その幹部が担当する部門の数字となります。企業経営を考えると、より多くの売り上げが上がるよう努力する一方で、経費はなるべく少なくしなければならない。その差し引きしたものが利益です。そのために売り上げの細かい数字をチェックして、どうして売り上げが増えたのか、または、なぜ売り上げが増えなかったのか、各項目の数字が判断の材料となります。経費の場合も、どうして経費がこれだけかかったのか、経費項目、いわゆる勘定科目ごとに見ていき、「君はこういう点に、注意が行き届いていないのではないか」「経費がこの期間だけ増えたのは、なぜか」と、売り上げに対する経費の割合を比較して問題点を指摘します。つまり、「売り上げ最大、経費最小」という経営の原則に基づき、仕事をしているかどうかが肝要になってくるのです。