わが家の家計に稲盛和夫なら何とアドバイスするだろうか――。経営者の勉強会「盛和塾」で直々に哲学を学んでいる2人のファイナンシャル・プランナーに徹底取材した。

Q. スーパーへ夕食の材料を買いにいった。キュウリが必要。「3本150円」と「10本300円」があった。どちらを買うか。

【ヒント】キュウリ1本あたりの値段は前者が50円、後者が30円。毎月の出費を少しでも節約するには、後者を選んだほうが賢いように見える。しかし、「ここにはまとめ買いや買いだめの落とし穴がある」と佐々木氏はいう。

「キュウリを10本買っても、当面使わない分は冷蔵庫の隅に入れたまま忘れてしまい、しなびて使えなくなったり、腐らせたりする。結果、高くつきます」
稲盛流の「当座買い」の買い方では、正解は前者。その極意を説明してもらおう。

A. 「売り上げを極大に、経費を極小に」「入るを量って、出ずるを制する」。稲盛経営学の鉄則だが、「出ずるを制する」方法は、個人が生活費をコントロールするうえでも応用できる。ファイナンシャル・プランナーの佐々木昭人氏があげるのが「当座買い」の買い方だ。