民主党勝利で大統領は「ミスター拒否権」に
日本への影響はどうか。
香港英字紙のサウスチャイナ・モーニングポストが引用した共同通信の報道によると、木原稔官房長官は選挙結果がどうであれ日米関係を重視すると述べた。
日本にとって好ましいのは、関税政策など諸外国への強硬姿勢を貫いてきたアメリカ・ファーストの共和党が弱まったことだ。米政治ニュースサイトのポリティコが取り上げたあるアジアの外交官は、民主党が同盟国の「心の支え」になりうると話す。
ただし、日本の国益への総合的な影響は未知数だ。議会の過半数を失った大統領の矛先が、かえって国外に向きかねないとの見方もある。ポリティコの記事で同じ外交官は、議会で民主党が勢いをつけたところで、ホワイトハウスが打ち出す外交政策そのものは「実際には変わらない」とみる。
トランプ氏自身、投票日にCBSの電話取材に応じ、民主党が勝てばその法案を拒否権で阻む「ミスター拒否権」になると宣言した。
残り任期2年余りの大統領とどう向き合うか
野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは選挙前の週に公表した論考で、内政で苦境に立つ政権ほど外交での成果を急ぐと分析していた。サウスチャイナ・モーニングポストは、対米投資や防衛費の分担をめぐり、日本がさらなる要求を受けやすくなるおそれがあると伝える。
日本国際フォーラムが開いた会議のまとめは、選挙後のトランプ氏の立場次第で、在日米軍の駐留経費をめぐる交渉にどう臨むかが変わる可能性が高いと指摘する。いわゆる「思いやり予算」の根拠となる特別協定の期限は2027年3月だ。延長に向けた交渉はすでに8月に始まった。
区割りや候補選びから、果てはプールの改修まで、トランプ氏は自分に都合のよい目先の成果や忠誠にこだわり、物価高に苦しむ有権者の声から目を背けてきた。中間選挙で明らかになったのは、その結果、足元の支持基盤まで失ったという帰結だ。国内で裏目に出たそのやり方を反省せず、失点を取り返そうと対外関係でも強硬姿勢を繰り返すなら、つけを払わされるのは同盟国となりかねない。
日本政府には、残り2年余りとなった大統領の焦りに振り回されることなく、その先も続く日米関係を見据えたしっかりとした交渉が求められるだろう。
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