米中間選挙で与党・共和党が大敗した。政治ジャーナリストの清水克彦さんは「トランプ大統領は新議会が発足する来年1月3日までの約60日間、レガシーを残そうとする。日本にとって最悪なのは、中国とロシアと手を結ぶことだ」という――。
トランプタワーとアメリカの国旗
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「60日も猶予が残されている」と強弁

アメリカ中間選挙が終わり、関心は、上下両院ともに民主党に過半数の奪還を許したトランプ大統領がどのような行動に出るかに移っている。

「私は結果を喜んで受け入れる。我々は民主党と協力するつもりだ」

これは、選挙で大勢が判明した頃、トランプ氏が、ニューヨーク・タイムズのインタビューに答えたコメントである。

共和党の敗北を覚悟していたのか、トランプ氏にしては慎み深いコメントだが、改選された議席で議会が始まるのは、来年の1月3日である。それまでの約60日間は、まだ共和党が上下両院で過半数を握っている状況が続くことを見過ごしてはならない。

「オレはまだレームダック化してはいない。60日も猶予が残されている。任期だって2年も残っている」

やけっぱち大統領の最悪の暴走

トランプ氏がこのように考えるなら、人事も条約も予算案も何でも通る状況の間に、やりたいことを片づけ、特に大統領権限で前に進めやすい外交などの分野では、レガシー(政治的遺産)作りを急ぐはずだ。

圧勝した民主党も決して一枚岩とは言えず、スターも不在だが、トランプ氏がレガシー作りに時間を要すれば、民主党がトランプ氏やそのファミリーが絡むスキャンダルを公聴会で明らかにし、防戦一方になる恐れがあるからだ。

細かい部分は後述するが、日本にとってもっとも好ましくないのは、トランプ氏が拒否権を発動し、民主党が過半数を占める議会と対立し、アメリカの政治が膠着状態になることに加えて、「国際法など関係ない」とうそぶいてきたトランプ氏が、中国やロシアと手を結び、「中国やロシアと良好な関係を築いた大統領」というレガシーを残そうとすることだ。