「ヤルタ2.0」に囲まれる日本
米中ロの3首脳は、11月18日から中国の深圳で始まるAPEC首脳会議に合わせ会談する予定だが、ここで「今後は3大国の『力』で国際社会の秩序を作っていこう」などといった方向性が打ち出されれば、ウクライナ戦争はロシアに有利な形で終結へと追い込まれ、台湾もまた中国の前に厳しい状況に置かれることになるだろう。
第2次世界大戦末期、米英ソの3カ国で戦後の秩序を決めた「ヤルタ会談」のように、軍事力で他国を圧倒する米中ロで世界を3分割する、まさに「ヤルタ2.0」とでも言うべき流れができてしまえば、地政学的に3カ国の中間に位置する日本は、外交・安全保障面で孤立しかねない。
ただでさえ、ロシアは、プーチン大統領の択捉島訪問や日本人記者拘束によって日本への敵意をあらわにし、中国もまた、台湾のみならず、台湾の一部と見なす尖閣諸島の領有に向け、軍事訓練に加え、国際通信の99%を担う海底ケーブル切断に向けた探査まで繰り返しているのだ。
日本としては、アメリカがそんな国々と手を組むことだけは、断固、阻止しなければならない。
トランプと習近平の接近は絶対阻止
対抗策としては、今年3月に就任したカナダのマーク・カーニー首相が唱えた「ミドルパワー(中堅国による力)」の結集が考えられる。
ただ、EUがそうであるように、中堅国の集合体というだけでは、強者の横暴な行為を、口を揃えて非難することはできても、阻止することはできまい。
日本としては、カナダをはじめ、英国やオーストラリアなどとの連携を深めつつ、トランプ氏の顔が習近平国家主席に向かないよう引きつけるしかない。
こうした中、国会では、高市首相が、10月2日の夜9時30分からオンラインで開催されたG7首脳会合を欠席したことが問題視され続けている。
「オンライン会合に必要なディスプレーなどの準備が整わなかった」
「(10月5日に行う)所信表明演説を書いていた」
「議長国のフランスが当日直前に急きょ設定した」
「議題が欧米の問題だったため、代理が出席してもよいと言われた」
これらは、高市首相が、国会での答弁や自身のX(旧Twitter)で行った釈明である。ただ、この日の会議は、石油の安定的確保や特にディーゼル燃料の価格抑制が主な議題で、日本にとっても重要となるテーマだった。

