G7より麻生氏との会食を優先した?

G7諸国の中では、7月に就任したばかりの英国・バーナム首相も欠席したが、それは父親ロイさんの葬儀のためで、高市首相とは事情が異なる。

しかも英国は代理としてミリバンド外相を出席させたが、日本は、トランプ氏やフランスのマクロン大統領らが勢ぞろいする会議に、首相の代理として、駐フィリピン大使から外務審議官に転じて間もない遠藤和也氏を参加させただけだった。

高市首相はこの日、直前の午後6時30分から7時45分まで、首相公邸で麻生太郎副総裁や鈴木俊一幹事長らと会食に臨んでいる。

高市首相の欠席問題をめぐっては、「麻生氏らとの会食を優先させたのでは?」や「その会食で酒を飲んでいたからでは?」などといった憶測も飛び交っているが、官邸や外務省関係者は一様に口を閉ざし、誰ひとり、筆者の問いに応じようとしない。

ただ、先に示した首相自身の釈明も、国際会議直前の会食でお酒が振る舞われたという問題も、高市政権の危機管理能力の欠如を如実に表していると言わざるをえない。

こうして見ると、今の日本は、急な会議でオンラインの準備が間に合わないような国、エネルギーがテーマとなる会議を重要と感じず、首相ではなく外務官僚を代理で出すような国ということになる。

これでは、高市首相がこれまで外交の軸としてきた「世界の真ん中で咲き誇る国」など夢のまた夢だ。国際会議の真ん中に立ち続ける機会を平気で逃してしまう国が、米中ロの3大国と渡り合えるとは到底思えない。

世界どころか永田町の中でも咲き誇れない

もちろん、高市首相にも挽回のチャンスはある。この先、フィリピンのマニラで開かれるQuad(日米豪印)首脳会議や中国・深圳で開催されるAPEC首脳会議、さらにその先には、アメリカ・フロリダでのG20首脳会議も控える。

ただ、高市首相が国益のため、あるいはG7会議欠席という汚名返上のため、外交に一心不乱に打ち込めるかと言えば、そうとは言えない国内事情もある。

その代表例が、衆議院の議員定数削減問題だ。

10月29日、自民党、日本維新の会、国民民主党の与野党3党が、従来から維新が主張してきた比例代表「50議席削減」ではなく、「31議席削減」することで合意したが、「あれは麻生さんによる維新斬りの第一歩」(旧安倍派衆議院議員)との見方が強い。

この議員曰く、維新より国民民主党と組みたい麻生氏が、「50議席も削減すると、比例代表で選出された議員が多い国民民主党は7議席も減らすことになるが、31議席削減なら2議席程度のマイナスで済むから納得しやすい」と判断したというものだ。