恩人を捨て、麻生氏に従うしかない

筆者の取材でも、もともと、「50議席削減」を「身を切る改革」の象徴として訴えてきた維新は、玉木雄一郎代表らが飲めない案を示すことで、国民民主党の連立政権入りを阻止できると考えてきたフシがある。

しかし、自民党からすれば、今年2月の衆議院選挙において、自民党単独で316議席と圧勝したこと、そして逆に、参議院では維新と連立し続けても与党で過半数に届いていない現状を考えれば、もはや維新と連立する旨味などなく、麻生氏でなくとも、「今こそ維新を遠ざけ、気心が知れた玉木氏らと……」と考えるのも無理はない。

高市首相にとって、吉村洋文代表率いる維新は、2025年10月21日に実施された衆参両院での首相指名選挙で自分を首相に押し上げてくれた「恩人」ではある。

とはいえ、来年9月の自民党総裁選挙での再選を狙う以上、まだまだ麻生氏の動きに同調しておかないと、「世界の真ん中で咲き誇る」どころか「自民党本部の真ん中で生き残る」こともできないという点が最大の弱点なのだ。

日本国民の負担はますます増えるばかり

話をトランプ氏に戻せば、日本は、さっそく中間選挙後のトランプ氏や国際社会の動きに備えなければならない。

① イラン再攻撃

中東にはすでに、空母ジョージ・H・W・ブッシュとジョージ・ワシントンを中心とした2つの空母打撃群が展開。11月末には、さらに空母セオドア・ルーズベルトの打撃群と、海兵隊を乗せた強襲揚陸艦マキン・アイランドの部隊が加わる。

イランへの大規模攻撃が再開されれば、石油価格はさらに高騰し、高市政権としては「ガソリン補助金を縮小する」などと言っていられなくなる。

② 日本にも強気の通告

アメリカ産の生鮮ジャガイモの早期輸入解禁や、日米韓で合意した約85兆円の対米投資の早期履行、さらには、防衛費の大幅な積み増しを要求してくる可能性が高い。

上記のうち、ジャガイモはすでに病害虫の侵入や価格競争といった国内農家の懸念が指摘されている。また、防衛費に関しても、政府は、アメリカからの要求を待たず、2027年度から5年間で、防衛費を70兆円以上にする可能性がある。

そうなると、2027年度から2031年度の防衛費の総額は、2023年度から2027年度の防衛費43兆円の2倍近くに膨れ上がり、財源として法人税増税が現実味を帯びてくる。