日本の子どもは先進国の中でも高い学力を誇る。評論家の白川司さんは「公教育だけでなく学習塾や通信教育が発達しているおかげだが、塾代は多くの家庭にとって重い負担となっている」という――。
試験を受ける学生
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「世界トップクラス」日中の共通点

2026年9月8日、経済協力開発機構(OECD)が発表した国際学習到達度調査PISA2025で、日本と中国が世界トップクラスの成績を収めた。

日本の15歳の生徒は、科学コンピテンシー538点、数学的リテラシー525点、読解力503点だった。初めて主要3分野すべてでOECD加盟国中1位となった。一方、中国の北京、上海、江蘇省、浙江省の4地域は、それぞれ597点、612点、527点と、いずれも日本を上回った。

【図表1】国際学習到達度調査の成績上位国
文部科学省・国立教育政策研究所「PISA2025のポイント」より

中国の数字は経済的に発展した4地域に限定されており、日本全国の平均と単純比較はできないものの、両国が高い学力水準を維持していることは注目に値する。

習近平政権が学習塾を減らした結果

ここで一つの疑問が浮かぶ。そもそもこの成績は、本当に学校教育だけによって実現したものなのだろうか。

実際、日本では、多くの子どもが学校の授業とは別に、学習塾や予備校、通信教育などを利用している。中国も近年まで同様だった。学校が終わると学習塾に通い、さらに家庭教師から指導を受ける。こうした教育熱は、日本以上に深刻な社会問題となった。

ただし、日本は民間教育産業の発展を許容してきた。一方、中国の習近平政権は2021年、学習塾に極めて厳しい規制を導入し、表立った営利塾は激減した。では、それにもかかわらず、中国の対象地域が2025年のPISAで高得点を収めたのはなぜなのだろうか。