中学3年生の平均塾代は34万円
日本の教育制度は、学校教育を中心に子どもの学力を形成する仕組みだが、実際には学校外教育にも依存している。
文部科学省の「令和5年度子供の学習費調査」によると、公立中学校の生徒1人当たりの年間学習塾費は、塾に通っていない生徒も含めて約23万円に上る。高校受験を控えた中学3年生では約34万円に達する。一般家庭にとって小さな金額ではない。
本来、公立学校が一人ひとりの学力に応じた教育を提供できることが望ましいが、平等さを建前にして一斉授業を基本とする学校では難しい。
加えて、学習指導要領の改訂によって、学校教育で重視する内容や指導方法も常に変化してきた。だが、多くの親が学校に最も求めたいのは「学力の向上」、もっとあけすけに言えば「良い大学に行けること」であることに異論はないだろう。
塾が実質的な「第2教育機関」に
日本でその需要を引き受けてきたのが民間教育産業である。たとえば、公文式は学年ではなく習熟度に合わせて学習を進める仕組みを作った。教材や指導方法を標準化することで、多くの教室で一定の指導水準を維持し、比較的利用しやすい料金でサービスを提供している。
重要なのは、教材や指導方法を工夫し、運営を効率化して、質の高い教育を手頃な価格で提供することも民間企業が生み出す価値であることだ。
さらに、日本には、Z会や進研ゼミといった通信教育の老舗もある。近くに有力な進学塾がない子どもでも、自宅で教材を使って学ぶことができるシステムが確立されている。
学校で十分な学力を身につけても、進学競争で他の生徒より高い成績を取ろうとすれば、追加の学習が必要になる。学校の教育水準が高くても、塾への需要はなくならないのである。
中国でも学校外教育の事情は同様で、民間塾や通信教育などが巨大産業に成長していた。

