NHK朝の連続テレビ小説「ブラッサム」では、宇野千代をモデルとするヒロインの珠と、芥川龍之介を思わせる秋山との邂逅が描かれた。ライターの栗下直也さんは「史実での2人の関係を調べると、宇野の一方的な片思いではなく、芥川の視線も彼女に向いていたことがわかる」という――。
宇野千代(1987年)
写真=時事通信フォト
宇野千代(1987年)

芥川龍之介と宇野千代のただならぬ関係

宇野千代は、かつて一緒に暮らした男たちと寝た話を、テレビで語ったことがある。1982年の『徹子の部屋』だ。黒柳徹子の質問に乗せられ、尾崎士郎、東郷青児、北原武夫の誰彼と寝たことまで平日の昼間にしゃべってしまったのだ。

番組後、黒柳からは「寝た寝たと、まるで昼寝でもしたように話す人とは初めて会った」と言われたというがその通りだろう。

88歳から91歳にかけて、ゆかりの場所を訪ねながら人生を振り返った『宇野千代 ちょっと自伝』にも男の話は盛り込まれているが、意外な人物にも言及している。かの文豪、芥川龍之介である。本の中では、聞き手が芥川からのラブレターの話を持ち出す。

NHK朝ドラ『ブラッサム』第6週では、宇野千代をモデルにしたヒロインの珠(演・石橋静河)が作家・秋山格之介(演・高良健吾)に結婚を報告する。芥川を思わせる秋山と珠の交流を見て、現実での千代と芥川の関係が気になった人もいるだろう。千代はどこで芥川と接し、はたして2人の間には何があったのか。