「寝ぼけた」「くず」「低知能」まで…
・Sleepy Joe=寝ぼけたジョー。大統領前任者のJoe Biden氏の蔑称。
・Barack Hussein Obama=オバマ大統領のフルネーム。ミドルネームのHusseinがイスラム教徒に多い名前であるためか、意図的にフルネームで呼ぶことが多い。
・Governor Newscum=カリフォルニア州知事で次期大統領選への出馬も取りざたされているNewsom氏の名前の一部をscum(くず)と入れ替えた蔑称。
・Crooked Hillary=心の曲がったヒラリー。1期目の大統領選での対立候補ヒラリー・クリントン氏に対する蔑称。
・Governor Carney=カーニー州知事。カーニー・カナダ首相を米国の州知事扱いにしてバカにする呼び名。
・Low IQ Person=知能指数の低い人間。下院民主党トップのハキーム・ジェフリーズ氏を指して。トランプ氏自らについてはHigh IQ Personと自称することも。
敵に対してはスラングを含んだあらゆる汚い言葉で罵倒し、自らの正当性は平易な言葉で具体的に訴えて、人心を掌握する。これがトランプ英語の真骨頂と言えるのではないか。しかし、レトリックによって熱狂的な支持者を獲得することと、偉大な大統領として歴史に名を残すことはまったく別物なのは言うまでもない。
トランプ氏の場合、複雑な問題を自分の主張に沿って一方的に単純化することにより、わかりやすく人を奮い立たせる効果はあるものの、事実とはかけ離れてしまう言葉があまりに多い。また、いじめっ子のような悪口や誇大妄想的な自画自賛は、トランプ支持者には歓迎されるかもしれないが、対立する相手からは無用な感情的反発を呼ぶばかりだろう。
2期目で品格欠く投稿が3倍に
残念なことに、トランプ大統領は、2期目(2025年~)に入ってから、言葉の攻撃的な度合いが飛躍的に上昇したようだ。
ワシントンポスト紙が今年5月21日に発表した分析結果によると、トランプ大統領が演説のなかで一度でもlow IQといった品性を欠いたり侮蔑的な言葉を使用した割合は、1期目が40%だったのに対し、2期目では93%に上昇したという。また、SNSの投稿のなかで、同様の言葉を発した回数は、2期目は1期目のおおよそ3倍に達すると報じている。
たしかに、最近のトランプ氏は、イラン攻撃など強硬な施策を展開するのと並行して、発言もますます過激になっている。
特別検察官としてトランプ氏の選挙運動不正疑惑を追及してきた元連邦捜査局(FBI)長官のロバート・モラー氏が今年3月に死去した際には、「彼が死んだのは喜ばしいことだ」とSNSに投稿した。対イラン軍事作戦についての4月の演説では「イランを石器時代に逆戻りさせる」と言い放った。
トランプ氏の発言の過激化について、米メディアでは、支持率の低下からくる焦りや、80歳という高齢による肉体の衰えなどを指摘する声があがっている。大衆扇動という観点から、トランプ氏をヒトラーと比較する評論も相変わらず後を絶たない。
