「とりまとめ」3つのポイント
個人情報流出のニュースが止まりません。そうしたなか10月9日に内閣府から、ある「とりまとめ」が公表されました。
これは「医療等情報の利活用の推進に関する検討会」から出されたもので、医療機関が入手した私たちの医療情報を、新薬開発や研究、AI開発、政策、社会保障といった二次利用に供するため、国の認定を受けた事業者にたいして、原則本人の同意なしで提供できるようにする新法の制定をみすえたものです。
要点は以下の3つになります。
②患者への事前通知を廃し「拒否の申し出」のみを残す
③法案は2027年通常国会提出の目算
とりまとめは、規制改革実施計画(2026年7月)の方向性を踏まえて、「個人情報保護法によらない、医療等分野に特化したデータ利活用に必要となる法制度整備も含め」、医療データ二次利用の包括的な制度づくりを提唱しています。(以下、個人情報保護法を「個情法」)
7月に成立した“あの法律”が土台に
これは、今年7月に成立・公布した改正個情法を1つの土台としたものです。
改正個情法は「統計作成等の特例」を新設し、統計作成等の目的にかぎり、一定要件のもとで、病歴を含む要配慮個人情報を本人の同意なく第三者に提供できる道を開きました。
提供元での匿名加工は前提とされておらず、氏名・住所を含む形での提供も排除されていません。
くわえて、現に公開されている要配慮個人情報については、本人の同意なく取得できる特例も設けられました。
そして、個情法の特別法である次世代医療基盤法。今回、作られようとしている新法は、この2つを土台としつつ、大きくその中身を変質させていくものです。
つまり、これまで医療機関から認定事業者へのデータ提供は、次世代医療基盤法上の努力義務にとどまっていて、その実効性は各医療機関の判断と契約に委ねられていました。
今回は、これを特定機能病院等については法的義務に改め、患者さんへの事前通知を「あり」から「なし」へと改める。そのうえで、医療情報の二次利用をいっそう進めやすくする新法を整備しようとするものなのです。


