「診察離れ」というリスク
自分の医療情報が誰に渡り、どう使われるか分からないという状態そのものが、受診や相談の行動を変えてしまいかねないからです。
感染症、精神疾患、DV、希少疾患、あるいは被保険者番号や雇用と結びついた情報……。これらについて「知られたら不利益になる」と感じた人は、本来であれば必要だった医療から距離をおく方向に動く可能性が出てきます。
つまり漏えいが起きる以前に、この新制度は私たちの健康を害するリスクを内包しているとも言えるのです。
「とりまとめ」は、現時点では検討会の議論をまとめた文書にすぎません。法的拘束力もなく、まだ法案ですらありません。
法案は2027年の通常国会に出される目算とのこと。つまり、事前拒否・漏えい時の通知・被害への救済・データ回収を、本人の権利、国の義務として法律の本文で明記される余地は、まだ十分に残されているとも言えましょう。
あなたは、自分自身とも言える自らの医療情報が、その所有者たる自身の同意なく、見知らぬ誰かに渡って利活用されていくことに、これらの担保なくして賛成することはできますか。
「そんなことは許さない」と思うなら、今のうちから熟議を求める声を広く大きく上げていくことが重要ではないでしょうか。
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