崖落ちパターンに共通すること
家計再建の場面で、必ず出てくる選択があります。
それは――
「今の生活水準を守るか」
「将来の破綻を防ぐか」
という問題です。
柴崎さんもこの例に漏れませんでした。
美智子さんとの思い出がたっぷり詰まったマンションや環境、習慣へのこだわり。確かにそれらは、決して否定できるものではありません。
しかし現実問題として、それが柴崎さんの生活を圧迫していたことも事実です。
そして何より、
「このままでは破綻するかもしれない」
という不安から解放されたことが、精神的に大きな支えとなりました。
さまざまな崖落ちパターンに共通するのは、世間や誰かの価値観に振り回されている人々の姿です。
「今の生活水準を守らなければ」という価値観も、自分自身ではなく、周囲や世間の視点を意識したこだわりにすぎません。
そこから解放されることこそ、幸福な人生の第一歩ではないでしょうか。
住宅の問題は、突然破綻するのではなく、ゆっくりと逃げ道を塞いでいきます。
だからこそ必要なのは、
「まだ大丈夫なうちに動くこと」
これに尽きます。
「動けるうちに動いた人だけが、老後を守れる」のです。
これは、私がこれまで見てきた多くの相談者に共通する現実です。
【柴崎さんの「崖落ちポイント」】
① 住宅ローンの完済=住居費ゼロと考えていた
・管理費や修繕積立金、税金といった継続コストを軽視していた。
② 会社の存続と退職金や再雇用収入を楽観視していた
・企業業績による、退職金の減額や雇用条件のリスクを織り込んでいなかった。
③ マンションの出口戦略を持っていなかった
・売却か賃貸かといった選択肢が現実的に取れない状況に陥ってしまった。
- 【第1回】「この苦しみが一生続くのか」貯金2000万+年金15万の余裕老後から崖落ちした65歳独身男性の"人生最大の後悔"
- 【第2回】5年繰り下げで年金42%増はお得のはずが…60代夫婦が引き換えに失った「何ものにも代えがたいもの」
検索時にプレジデントオンラインに関連する記事が表示されます


