1300円の投資で、年間9000円の利息
現在、トルコの政策金利は37%と、極めて高い水準にあります。そして、トルコの通貨であるリラは約3.2円なので、1万リラでも約3.2万円と、極めて少額から取引ができることからも、リラ投資は一部投資家の間で絶大な人気を誇っています。
そんなリラを、FX(外国為替証拠金取引:実際の取引額より少ない証拠金額で取引できる)で取引する場合、1万リラの取引に必要な資金(証拠金)は、なんと1300円程度です(※1)。そしてFXでは、金利(スワップ金利)は取引額に対して付与され、リラは極めて高金利であることから、1万リラの保有で1日25円程度の金利がつきます。
つまり、FXでのリラ投資では、約1300円の投資で、年間約9000円(年利約692%)もの金利を受け取ることができるのです。
※1 FXでの必要証拠金や金利水準は、為替・金利状況や業者により異なる。
リラの、凄まじい下落とは
このように、普通ではちょっと考えられないリターンが見込めるFXでのリラ取引ですが、当然、落とし穴はあります。それは、長期間にわたる、リラの凄まじい下落です。
今から約20年前の2007年頃には、1リラは90円程度で推移していました。しかし、トルコの激しいインフレ、不安定な政情などにより、通貨安に歯止めがかからず、冒頭のように、現在は約3.2円にまで落ち込んでいるのです。その下落率は95%を超え、凄まじい為替差損を被っている投資家は少なくないはずです(私もその1人です)。
ちなみに私は2013年末頃、1リラが約50円のとき、FXでのリラ取引を始めました。もちろん、リラ投資のリスクを十分に認識したうえで(当面、リラの下落は続くだろうと想定して)、ロスカット(※2)にならないように証拠金をかなり多めに入れ、満を持しての、スワップ金利狙いの長期投資でした。
しかし、リラの下落は私の想定をはるかに上回り、迫りくるロスカットに怯える日々を過ごすのでした。そしてついに2018年、トルコ・アメリカの関係悪化によるリラ急落で20円を割り込んだタイミングでロスカットとなり、100万円程の損失を被ることになったのでした。
※2 ロスカットとは、通貨安による為替差損が、証拠金に対して一定水準となると強制終了となるしくみ。なお、冒頭では、「1万リラの取引に必要な資金(証拠金)は1300円程度」と書いたが、これは法令による最低金額(取引額の4%)であり、ほんの少しでもリラ安となるとロスカットとなることから、長期投資においては現実的ではない。

