清掃スタッフの時給が高額に跳ね上がる
「私は、石工が家に来て作業してくれることを1年も待っているのだが、ほとんど来てくれない」らしい。主導権は石工のほうにあり、街には彼以外に石工はおらず、大金を稼いでいるのだと。石工はナイスガイでハードロック好き。
ピックアップトラックに乗って、手にコーヒーを持参してマイペース。彼の仕事をコントロールすることはできない。ただただ彼の仕事ぶりに合わせるしかないのだ、と。
つまりただでさえブルーカラーが足りなかったところに、国内回帰がやってきているのだ、と。人手不足の意味では、日本も例外ではない。
TSMCの熊本工場はその賃金の高さで周囲の企業に影響を与えた。清掃や食堂のスタッフが高額な時給だった。台湾は令和の黒船というべきか。TSMCによって、周囲の工場や建設現場で従業していた人材が一気に引き抜かれた。あるいは時給が高騰した。ただ賃金よりも問題なのは人材不足だ。
世界情勢の悪化で国内生産できることが急務
半導体工場を立ち上げる人材が不足し、TSMCは台湾から社員を派遣する。熊本では開新高校が2026年に半導体工学科へ改編したが、それでも総数では今後10年で約4万人が不足する。
産業とサプライチェーンの形がこれまでと変わるわけだから、人材育成や、そして教育も変容させねばならない。なお原稿執筆時点の2026年3月にはイラン戦争が勃発している。
原油、LNG、金属資源は高騰した。サプライチェーンは混乱に陥った。これ以降、どのように戦争が終結するのか、現段階では見通せない。ただし、より世界が分断され、サプライチェーンは自国へ回帰するか、あるいはさらに分散していくだろう。工場が自国へ戻ってきても作れなければおしまいだ。
これからの深刻な熟練労働者不足をどうするか。日本では少子高齢化が顕著だ。配管工や電気技師の平均年齢が上昇しており、ベテランの引退にたいして若年層が充足されないのが問題だ。
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