17歳の娘のときから守る秘伝

「そうだ、私の顔はキメが細かい、肌が美しい。これだけは唯一の取り柄である。この唯一の取り柄を失くさないようにするにはどうすれば好いだろう」

私のお化粧は、この肌の美しさを保つことに注意が集中されました。まず第一に、たっぷりとよく眠ること。このことだけは、私の一生を通じて、一番気にかけたことです。よく眠ったあとは肌がいつもよりもっとキメが細かくなっているからです。

或るとき、好きな人に会いに行くとき、お化粧ももう出来た、支度がすっかり出来たのに、時間があとまだ30分ある、と言うときのことです。

このちょっとの間に、ちょっと眠ろうと思って寝たのですが、眼が覚めて、まず鏡で顔を見ますと、お化粧を仕上げたばかりの肌に、じっとりと脂気をふくんだ湿りがあって、お化粧したとは思えない、生まれたままの肌のような自然さでびっくりするほどキレイな皮膚になっていたのを憶えています。

好きな人に会いに行くには、その前に、ほんのちょっと眠ること。これが私の一大発見なのでした。あの17歳の娘のときから現在まで、私はずうっとこの秘伝を守っている訳なのです(どうかみなさんも、ちょっと試してごらんなさい)。

落ち着いた色味のベッドシーツとクッション
写真=iStock.com/primeimages
※写真はイメージです

下手なお洒落の人でも好き

私はお洒落をしている人を見るのが好きです。

お洒落、と言うことの内容には、千差万別があります。誰が見ても、田舎くさいような、でこでこの、下手なお洒落の人から、お洒落をしているのが分からないように見える、上手なお洒落の人まで、千差万別の段階があります。

しかしその一番下手な、でこでこのお洒落の人でも、私はそう言うことに関心を持っている点で、その人が好きです。

女の人の中には、「あたし、お洒落なんかするのは大嫌い。お化粧や、ヘアスタイルに気を使って、何になるのよ」と言ったりする人があります。身なりのことなど構わないでいるのが、さもさも、自慢のように言う人があります。私はそう言う人は好きではありません。