国交樹立75周年の正念場
とはいえ、政治的な意思と戦略的な利害が一致しても、成約に至るとは限らない。
同誌はUS-2の挫折をその教訓として挙げる。インド側は現地生産と技術移転を求め、日本側は知的財産の保護と最終用途の管理を重視する。こうした条件の隔たりは、いまも解消されていない。
一方、明るい材料もある。シャルマ氏は、7月の首脳会談によって、日本にとって中国依存に備えるヘッジ戦略が、パートナーと共同で進める産業政策に変わったと分析する。両国は、日本からの投資を速やかに認可する仕組みの活用で一致し、2025年には日本の中小企業とインドの二次・三次の部品メーカーを引き合わせる場も発足した。
だがシャルマ氏は、「最大のリスクは実行にある」と警告する。過去の投資目標も、資金の払い込みの遅れや用地取得の難航、煩雑な規制に阻まれ、達成が後ずれしてきた。
国交樹立75周年に当たる2027年を、両国は「共有する地平の年」と位置づける。インターナショナル・レイルウェイ・ジャーナルによると、まさにその年、ムンバイ―アーメダバード線のスーラト―ビリモラ間では、日本が試験走行用に無償供与する中古の新幹線2編成と、BEMLの試作車が走る。
良きパートナーとなれるはずの日印だが、ここで見た5つの要因――価格と納期をめぐるズレ、国産化優先の方針、支援が受注に結びつかない構造、契約履行のリスク、対中規制の副作用――を背景に、これまでの協業は円滑ではなかった。
中国や欧州勢とも競合するインド市場で、円借款などの支援を日本企業の受注や投資拡大にもつなげ、互恵関係を築けるか。過去と未来を見据えた外交戦略が試されている。
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