低下したエネルギーを回復するには睡眠時間をどのくらい取るべきか。心理カウンセラーの下園壮太さんは「6時間を2週間続けると、2日間徹夜させた状態と同等に注意力や作業効率、判断力は大きく低下する。どれぐらい睡眠をとればいいのかは医療情報でいろいろ言われるが、シンプルに考えるといい」という――。
※本稿は、下園壮太『休めない呪いを解く メンタルダウンを防ぐ戦略的プログラム』(大和出版)の一部を再編集したものです。
睡眠不足は自覚できないかたちで判断力を奪う
まずは、「(前向きなことは)何もしていない」と、軽視されがちな睡眠の本当の力を探っていきましょう。その重要性を一番理解しやすいポイントは、睡眠不足だと、能力が落ちるということです。
睡眠が足りていないとき、人は「眠い」「だるい」とは認識できても、「判断力が落ちている」ということは、ほとんど自覚できません。むしろ、「睡眠不足かもしれないけど、しっかり判断はできている」という感覚のまま、普段どおりの活動を続けてしまいます。
睡眠不足によるパフォーマンスの低下に関して、興味深い実験があります。
健康な人を対象にして、睡眠時間を「8時間」「6時間」「寝ない」、の3つに分けて、日中のパフォーマンス(頭脳労働、肉体労働)を測定してみました。
8時間、これは人の自然の睡眠時間に近い時間だそうですが、この8時間しっかり睡眠をとったとしても、連続で2週間の課題をこなすうちに、パフォーマンスが低下してきます。つまり、疲労がたまってくるのです。この8時間のグラフからわかるのは、やはり、週に1・2日は、休んだほうがいいのだなということです。
次に、6時間のグラフを見ていただきたいのですが、6時間を2週間続けると、注意力や作業効率、判断力は大きく低下しています。しかもその低下は、なんと、同じ人々を、2日間徹夜させた状態と同等になるのです。


