エネルギーが低下した状態に気がつかない

そして、ここで興味深いのは、疲労に関する自覚の差です。

2日間徹夜した場合には、多くの人が「これはさすがにおかしい」「判断力が落ちている」ということに気がつきます。

ですが、6時間睡眠を2週間続けてしまった場合、「自分の判断力やパフォーマンスが極度に落ちている」ということに気がつくことができません。これ、まさに「疲労の第2段階」にいる人の特徴と同じですよね。疲労の第2段階に入ると、「ちょっと疲れているだけ」「気のせい」「まだ大丈夫だ」と判断しやすく、休むより踏ん張る方向に力を使ってしまいます。また同じショックを受けたときのダメージが2倍大きく感じ、回復にも2倍時間がかかります。

疲労の第2段階で、「まだ仕事はきちんとできている」「頭は回っている」と感じるのは、睡眠不足と同じようにエネルギーが低下した状態に気がつかない、つまりモニターが壊れていると考えたほうがいいのです。

パソコンに向かって座り頭痛をこらえている女性
写真=iStock.com/Pattanaphong Khuankaew
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復活を目指すならまずは睡眠9時間

休みが取れたら、「とにかく睡眠をとる。できたら9時間を目指す」。これだけ覚えておいてほしいのです。

実は睡眠が一体、私たちの健康やパフォーマンスにどのような効果があるかは、今まだ盛んに研究されている段階です。とにかく、重要だ、ということはわかってきているようですが、なぜ我々は睡眠をとるのか、睡眠の間に何が起こっているのか、などはまだわかっていないことがほとんどなのです。

ただ、私の経験でも、睡眠をしっかりとると、みなさん疲労状態から回復します。くわしいメカニズムは置いておいて、経験値として、「低下したエネルギーを回復できるのは睡眠だけ」ということをお伝えしておきます。

これも、10年後、20年後には、違う答えになっているかもしれませんが、とにかく今は、「だまされてみてください」。

では、どれぐらい睡眠をとればいいのか。これは、医療情報などでいろいろ言われていますが、第2段階の人は、不安が強いので、そのような情報に食いついてしまいます。第2段階で「休む」という大きな課題に向かおうという人には、たくさんの情報はあまり有効に働きません。シンプルなほうがいいのです。

ですから、疲労しているので、エネルギーを補給したい。人の普通の状態の睡眠の平均値が8時間ということなので、少なくともそれより1時間多く寝ること、これを目標にしてもらいます。