睡眠の質にはこだわらない
レム睡眠、ノンレム睡眠など、睡眠の深さ、質についての情報も第2段階の人を惑わせます。
結論を先にお伝えすると、「質についてはこだわらない」ということを意識していただくのをおすすめします。
理由は明確です。健康な人がパフォーマンスを上げたいというときは、睡眠の質を意識するのはいいと思います。ですが、すでに蓄積疲労が第2段階の状態では、睡眠の質はそもそも、「悪い」のが普通、いえ、“正当”なのです。
というのも、不眠とは、あなたの脳が「今は眠っている場合ではない」と、必死にあなたを守ろうとしている防衛反応(アラート)だからです。
再び、原始時代の洞窟を想像してみてください。あなたは怪我をしているか、ひどく疲れ果てています。そのような「弱っている」個体は、猛獣などからすれば、格好の獲物になります。そして、その猛獣の多くは、夜間に狩りをする。
だとすれば、もしぐっすり熟睡してしまったらどうなるでしょうか。猛獣の足音に気づけず、命を落とすかもしれません。
だからこそ、脳はあなたを眠らせないようにしているのです。「眠れない」ではなく「眠らない」のが今のあなたの不眠の本質です。
ですから、眠れないことを「意志が弱い」とか「病気が悪化した」と悲観する必要はまったくありません。中途覚醒や、夜中に数回目が覚める、なども、医療に相談すると、「改善すべきこと」と判断されますが、これも第2段階では自然なことなのです。
むしろ「私の脳は、こんなに疲れている私を必死に守ろうとして、徹夜で見張りをしてくれているんだな。ご苦労さま」と、その防衛本能をねぎらってあげてほしいぐらいです。
蓄積疲労の第2段階、第3段階では、睡眠の質は、悪いのが当然です。それを補うには、睡眠の時間を長くすればいいのです。
昼夜逆転は回復のための自然な現象
睡眠を意識しはじめると、休みが取れたとき、多くの人が戸惑うのが「昼夜逆転」です。夜に眠れず、昼間に眠くなる。
こうした状態になると、「こんな眠り方で本当に回復できるのだろうか」「かえって悪化しているのではないか」と不安になる方も少なくありません。周囲も心配します。
しかし、蓄積疲労の第2段階の状態では、これもごく自然な反応なのです。
夜は猛獣に襲われる可能性があり、あまり寝ないようにする。では、原始人が睡眠をとれるのは……、そう昼間なのです。昼間は、ほかの人が起きていて警戒してくれる、また猛獣も昼はあまり襲ってこない。昼に寝るのが大正解だと思いませんか。
なのに、どうして昼夜逆転は、こんなにダメなこと、と認識されているのか。それは、現代社会の生活だけを基準にしているからです。
普通の職場では、昼は寝られません。しかも、出勤しようと思うと、朝早く起きる必要があります。だから、「夜に眠るしかない」のです。これは、人の体の都合ではなく、社会の都合なのです。
こう考えると、昼夜逆転をそれほど気にする必要がないことがわかると思います。重要なのは、「いつ眠るか」よりも、「どれだけの時間、眠れているか」です。

