「職業名」より「作業」で考える
ここからは、仕事の中身をもう少し細かく分けて見ていきましょう。私の意見としては、「職業名」で考えるより、「仕事の中の作業」で考えるほうが実態に即したものになると思います。
例えば営業職なら、営業という仕事全体が消えるのではなく、提案書の下書き、顧客リストの整理、商談後のお礼メール、競合調査といった「営業作業の一部」がAIに移っていきます。一方で、相手の本音を読む、価格交渉の落としどころを探る、社内の根回しをする、といった部分は人間の経験がものを言います。
仕事は職業単位ではなく、作業単位で変わる。この見方を持つだけで、不安はかなり整理されます。このようにどんな職種の中にも「変わるものと残るもの」があるはずなのです。大切なのは、自分の職業名や肩書を見て安心したり不安になったりすることではありません。
では、もう少し具体的な仕事内容別に見ていきましょう。ここで紹介する分類は、複数の調査・専門家の見解を総合した一般的な傾向です。「あなたの仕事が必ずこうなる」という「予言」ではありません。傾向を知って、自分の仕事のどこが変わるかを考えるための「大まかな地図」として読んでください。
AIに置き換わりやすい4つの作業
定型的な事務作業
データ入力、書類のチェック、定型的なメール処理、経費精算の承認。「ルールが決まっていて、判断がほぼ不要」な作業は、AIや自動化ツールで処理できるようになっています。担当者の数は減るでしょう。
翻訳の一部
AIの翻訳精度は年々向上し、ビジネス文書レベルなら十分実用的になりました。専門翻訳者の役割は「ゼロから訳す人」から「AIの訳をチェック・編集する人」に変わっていくと予想されます。
初級レベルの調査・要約
「ネットで調べてまとめる」レベルの仕事は、AIで代替されつつあります。新人がトレーニングとしてやっていた業務が、AIに置き換わる流れです。
コールセンターの一次対応
よくある質問への対応はAIチャットボットが担うようになっています。人間のオペレーターは、複雑な問い合わせや感情的な対応にシフトしていく動きです。
