「バーレイザー」とは何者?

さて、マネージャークラスを採用する二次面接の面接官の中には、必ず1人「バーレイザー」という存在の人間が加わります。文字どおり「バーを上げる者」という意味です。バーレイザーには、棒高跳びの選手がバーをクリアするシルエットのアイコンが社内イントラの個人ページに付されます(採用面接ではもちろんわかりませんが)。

ある一定以上の面接を行っていて、過去の面接で有効なフィードバックをしていて、他の人から見ていても「この人を面接官にすると良い人材が採れる」「この人を面接官にすると明快な決定ができる」といった人物が、チームから人事へ推薦されます。

その人物が特別なトレーニングを積み、テストに合格すると、晴れてバーレイザーの称号が与えられます。それで給料が上がるということはなく、アマゾン社内の名誉称号の1つです。

では、バーレイザーは、候補者のいったい何を見ているのでしょう?

採用可否を左右する特別権限を持つ

「LP(リーダーシップ理念)を備えた人物かどうか?」を見ている他の5人の面接官よりも、さらに一段高い位置から見ています。

「この人がアマゾンに加わることで、アマゾンはさらに成長できるか?」

という点を見ているのです。

佐藤将之『アマゾンのすごいルール 増補改訂版』(宝島社)
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アマゾンのビジネスは、何年も先の未来を見て動いています。そのアマゾンのバーをさらに引き上げる必要があるわけですから、社外はもちろん、社内からも理解を得られない場面があるでしょう。

そんなシチュエーションでも負けずにビジネスを回していけるかどうかを、バーレイザーは見ています。候補者がいくら良い人であっても、アマゾンが現状を維持する程度の人材ならば、バーレイザーは残念ながら「NO」と言うしかありません。

先ほど、二次面接の後に、一次・二次の計6人の面接官が集まり、ハイアリングミーティングをすると言いました。その6人の中で、バーレイザーだけは特別権限を与えられています。すなわち、他の5人が採用に対して「YES」と言っても、バーレイザーが「NO」と言ったら、結果は「NO」なのです。

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