個人の印象、曖昧な要素には価値がない
さて、面接環境ですが、基本的にアマゾンの社内で行われます。周りの干渉がない、落ち着いた雰囲気の部屋で行われます。候補者の方たちは現職で重要なポジションにいることが多いわけですから、「あの人がなぜかアマゾンにいた」と知られてはまずい人もいます。このあたりの配慮は、十分なされています。
ドキュメントの管理も徹底しています。ハイアリングミーティングで配布されたドキュメントは、ミーティング後に即回収。人事がすべて管理し、個人が持ち出すことはできません。
アマゾンの入社面接は、非常にロジカルです。「理詰めにされた」という印象を持った候補者も少なからずいたと思います。
なぜなら、面接官は常に2つのことを意識しているからです。
1つ目は、「採用するための明確な理由を収集したい」ということです。
アマゾンでは、二次面接が終わった後、自分が「LPの項目の中で特に重点的に聞いてほしい」と依頼された項目に対し、「こういう事実を確認しました」「そのことについて私はこのように考察しました」ということを書いて、システムに入力しておかなければなりません。
「笑顔が爽やかで人当たりが良さそう」「仲間とうまくやっていけそう」といった印象ベースの主観的な要素、「プロジェクトリーダーとしてプロジェクトを成功に導いた」といった曖昧な要素などは、記入に値しない内容とみなされます。
どういう発想で、何をし、どう成功に導いたのか……面接官は具体的にヒアリングし、記入する必要があります。その実績が、面接官全員が納得する素晴らしいものであれば採用の理由となります。人の人生を左右する問題ですから、常に真剣です。
常に意識しているのは「再現性」
2つ目は、「再現性があることを証明したい」ということです。
採用の決め手となる理由を集めたら、面接官は「この実力はアマゾンでも再現可能です」と言いたいわけです。成果を挙げられた理由が「取引先に恵まれた」のだったとしたら、アマゾンで取引先の開拓が難航した場合にパフォーマンスを発揮できないことになります。どんな場面であっても再現可能な能力を、面接官はチェックし、他の面接官と共有したいのです。
面接終了後のハイアリングミーティングでは、
「こういうところがこの人の強みでした、こういうことをやっているのでアマゾンでも再現性があると思います」
「この人はこういうことができていなかったので、ひょっとするとアマゾンに入ってきた後に障害になる可能性があります」
などといった会話が飛び交うことになります。
