相手に合わせて「署名欄」を使い分ける

期待されている人378名を調査したところ、37%にあたる140名が、メールの「署名」を複数パターン用意していることがわかりました。

比等としてはそれほど高くありませんが、一般社員362名で調査した際はわずか3名(0.8%)しかいませんでしたから、ここには有意な差があると言えます。

具体的には「社内用」「社外用」「カジュアル用」と、送信相手や目的に応じて切り替えていました。

自宅でノートパソコンを使って仕事をする笑顔の男性
写真=iStock.com/Ridofranz
※写真はイメージです

社内用は部署名や内線番号を強調した連絡しやすいものに。社外用は会社ロゴや肩書を整えて信頼性のある印象に。そして社内の友人や若手向けにはカジュアル署名を用意して親近感を出すなど、使い分けていました。

スマホ用とPC用で署名を最適化している人もいます。スマホ用は短くシンプルにして「移動中のため簡潔に失礼します」と一文を添える。PC用では、肩書やリンク、丁寧な文言を加えて頼感を補強する工夫がされていました。

署名欄に「最近の関心事」を入れる

そもそも、入社時に設定して以来、署名欄を変えていないという人が大半ではないでしょうか。一方で、2878人のメールデータを解析したところ、期待されている人たちはメールの署名欄を頻繁に書き換えていることがわかりました。

特徴的だったのは、「最近の関心:生成AIと業務効率化」とか「週末はハーフマラソンの練習中!」など、最近の関心事を署名に小さく入れている人が多いことです。

雑談のようですが、これを見た相手が「じつは私もランニングしてるんです」と返してきて、そこから親近感が生まれ、メールが人間味のあるやり取りに変わっていくことも多いそうです。

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ある総合商社の最年少人事マネージャーは、署名に「今週のひとこと:挑戦をやめない」と入れていました。すると意外にも「その言葉に励まされました」という返信が返ってくることが多く、取引先との関係が深まったそうです。

また、署名を告知欄のように使っている人もいました。たとえば「次回の社内勉強会はこちら→」「新しいプロジェクトプログを更新しました→」とリンクを置くなど、押しつけがましくなく情報が伝わるようにしていました。

実際、署名にリンクを仕込んでいた人のなかで社内で情報のハブとして認識されている人の比率は、一般社員における比率の1.5倍というデータもあります。会社から期待されている人は、署名を人間関係を広げるためのメディアとして捉え、戦略的に作っていたのです。

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