壱番屋の今後の戦略と展開予測

今後、日本経済はインフレが続くと予想され、食品や外食価格も上がり、さらに消費税減税で「税が下がらない」外食であるココイチに逆風が吹くのは必至の情勢です。そんな中、壱番屋はどうかじ取りしていくのでしょうか。

想定できるのは、ファンドなどの新たなパートナーとともに、新たな事業展開の模索です。具体的には、脱カレーの多角化の動きです。

壱番屋は、ジンギスカンやもつ鍋、ラーメン、夜パフェ・スイーツといった店をすでに買収済みです。2026年2月期での店舗数を見て見ると、壱番屋が運営しているココイチが1205店舗(うち直営店118店舗)、パスタ・デ・ココが28店舗、その他が2店舗です。全体では2店舗の増加と、頭打ち感が出ています。

2026年7月19日にオープンした「博多もつ鍋 前田屋 渋谷店」一番人気の和牛もつ鍋みそ味(写真上)と、本拠地福岡の「博多もつ鍋前田屋総本店」(写真下)
画像=プレスリリースより
2026年7月19日にオープンした「博多もつ鍋 前田屋 渋谷店」一番人気の和牛もつ鍋みそ味(写真上)と、本拠地福岡の「博多もつ鍋前田屋総本店」(写真下)出典=LFD JAPAN

一方、前出のカレー以外の傘下の飲食店では、大黒屋(ジンギスカン)が11店舗、麺屋たけ井(つけ麺・ラーメン)が14店舗、前田屋(もつ鍋)が9店舗、ラーメン小僧が7店舗、パフェテリア パル(夜パフェ)などが9店舗となっています。

現状、まだ店舗数は少ないですが、これらの市場は開拓余地があり、今後、採算性が十分見込めます。ファンドなどの協力で資金力がさらに強化されれば、全体の業績も伸びると考えられます。訪日外国人の増加で日本食に慣れた外国人も多く、ラーメンなどが海外でも大人気になっていることから海外展開も考えられます。

大型フライヤーで「揚げ物専門店」の可能性も

さらに、私が注目するのはココイチ内の厨房にある機器・大型フライヤーです。食材を「揚げる」という調理ノウハウと設備マニュアルは、外食業界の中でもココイチFCが最も得意とも言われており、店内での揚げ物の拡充のみならず、「揚げ物専門店」をつくる可能性もあります。こちらも、ジンギスカンやもつ鍋の店と同様に、夜時間のアルコールとの相性がよく売上に貢献するかもしれません。

カレーパンなどのベーカリー業態を本格化することも考えられます。壱番屋は2022年12月に名古屋駅地下街にカレーパン専門店「SPICE UP! COCOICHI BAKERY(ココイチベーカリー)」1号店を開業しました。2026年3月には、全国のココイチ店舗への「ポークカレーパン」一斉導入も行っています。

先ほども述べたように、食料品に対する消費税の引き下げで、外食には逆風が吹くことが予想されますが、カレーのテイクアウトだけでなく、よりテイクアウトしやすいパンの事業もビジネスチャンスと言えるでしょう。