今のセブン‐イレブンに必要なものとは

今、コンビニを取り巻く環境は大きく変化しようとしています。コロナ禍以来、在宅勤務が広がり、2023年ごろからインフレが加速し始めました。この変化にどう対応していくか。

私が入社したころは、鈴木さんが発案した「開いててよかった」のテレビCMのコピー通り、「時間の利便性」を提供しました。その後、2000年代に入って、コンビニ業界の業績が低迷したことがありました。少子高齢化を背景にした単身世帯の増加や女性就業率の高まりといった市場の変化に対応できていなかったことが原因でした。

鈴木敏文『わがセブン秘録』(プレジデント社)
鈴木敏文『わがセブン秘録』(プレジデント社)

そこで、セブン‐イレブンでは、「今の時代に求められる『近くて便利』」をコンセプトに、少し先のスーパーマーケットまで買い物に行かなくても、家の近くのコンビニで買い物をすませられるよう、惣菜類を増やすなど品揃えの大幅見直しを行った。「距離の利便性」を提供することで低迷を脱していきました。

そして、今回の市場の変化です。セブン‐イレブンでは、中食をさらに進めたQSR(Quick Service Restaurant/クイックサービスレストラン)として、レジの横で展開する揚げ物、焼きたてパン、コーヒー・紅茶、スムージーなどレジ横商品について、「Live-Meal(ライブミール)」というコンセプトを打ち出しています。揚げたて、焼きたて、淹れたてのライブ感を楽しんでいただき、「満足感」「わくわく感」「安心感」のセブン‐イレブンならではの顧客体験価値を提供していく。

常に「今の変化」に対応していく鈴木イズムを継承することで困難な時代を乗り越える。それが恩に報いることになると私は信じています。

(インタビュー・構成=勝見明)

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