頑張って無理に勝ってしまわない
さらに、自分が騙されそうになったり、敵対したりしたときに、頑張って無理に勝ってしまわないようにしています。圧倒的に勝ってしまうと、「この人は助けなくても自分で何でもやっていける」と思われて、人々が遠ざかってしまうことがあります。
むしろ、少々騙されても、気のいい人間であることを示せば、「こいつは助けてやらんとな」と近寄ってきてくれるのです。自分の力や知恵を発揮するのはそれからでいい。でも、いつでも仲間を頼り、顔を立てることは忘れないようにしています。
このように信頼関係を作るにはとても時間がかかります。信頼関係はインスタントには構築できないのです。
こうした経験を踏まえて、私が現代の人間関係において重要だと考えているのは、「自分と気が合わない人とあえて付き合う」ことの大切さです。
SNSなど文字や言葉によるコミュニケーションに頼りすぎていると、多くの人はSNSやメールでメッセージを受け取った瞬間に自分にとって都合のいい話か耳の痛い指摘かを判断することができます。
もしかしたら送信者の名前を見て、「あいつの言うことはいっさい聞かない」などとスルーしてしまうこともあるかもしれません。
文字や言葉だけでバーチャルなコミュニケーションばかりしていると、こういったことが起きてしまいます。
気が合わない人と付き合う効用
一方、対面で人に会い、身体的なコミュニケーションを含めて対話をしていると、自分にとって耳の痛い話でも、その話がひとまず終わるまでは耳を傾けなければなりません。対面して相手の表情や身振り手振りを見ていると、相手が自分のことを慮ってあえてこんな耳の痛い話をしてくれているんだな、と感じられることもあるでしょう。
もう少し話を聞いてみようかと思うようになるかもしれません。こういったことが信頼関係の構築には不可欠なのです。
自分と気が合う人とばかり付き合っていると、話はよく通じるし、気分を害することがないから楽です。でも、相手も同じようなことを考えているから、新しいことに気がつく機会が少なく、発展性がありません。
気が合わない人と付き合っていると、価値観の違いから、別の見方に気がつき、今まで考えていなかったことに出合う機会が増えます。
気が合わないと思った人でも、付き合っているうちに親しくなることもあります。そういった付き合いは自分の幅を広げることに繋がるのです。

