GAFAを同列に論じることはできない
【楠木】いずれにせよ、まずは対象を理解して、次に論理を考える。これが変換の基本です。思考が空回りする人には、決まって論理がない。よくあるのが「カテゴリー適用」という思考様式です。
例えば「ソフトウェアは儲かるけれども、ハードウェアは儲からない」というような考え方です。「ソフトウェア」とか「ハードウェア」というのはカテゴリーにすぎません。「スマイルカーブ」という法則(?)にしても同じです。上流(企画・開発)と下流(販売・アフターサービス)は収益性が高く、中流(製造・組み立て)は収益性が低い、というのですが、これにしてもカテゴリーを言っているだけです。
半導体はカテゴリーで分類すればハードウェアです。TSMCはハードウェアの製造に特化している会社ですが、巨額の利益を出しています。最近だと「SaaSの死」と言うのですが、なぜ儲かるのか・儲からないのかという論理がない。
一昔前の話になりますが、「プラットフォーマーが儲かる」といった浅薄な議論がありました。GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)がプラットフォーマーだというのですが、この4社の商売の中身は相当に異なります。それぞれに違ったロジックで利益を出しています。そこに踏み込まないと本当のところは分かりません。GAFAを「プラットフォーマー」として同列に論じるのは、全日空とヤマト運輸とトヨタとジェイソン・ステイサムを一括りにして「トランスポーター」と言うようなものです。論理がないところに意味のある知見は生まれません。
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