うまく名言を使える人は何が違うのか。起業家の川岸宏司さんは「話に偉人の名言が出てきても、話し手自身の言葉がどこにもないと、相手の心には届かない。自分の体温が乗って初めて、借りた言葉が自分の武器に変わる」という――。

※本稿は、川岸宏司『なぜ、あの人の言葉は心に響くのか』(大和書房)の一部を再編集したものです。

マイクでスピーチをする中年男性
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マジックナンバー「3」の法則

会議で「この件、ポイントが5つほどありまして」と切り出した瞬間、聞き手の目が泳ぎ始める。あの空気、経験ありませんか?

5つ目を話している頃には、1つ目の内容はもう消えている。真面目に全部伝えようとした結果、何1つ残らない。

私も昔、「注意点は7つ」と言っていましたし、油断すると今でも言いかけます。

そして、当然のように気づきます。

7つ伝えて3つしか残らないなら、最初から3つに絞って正確に届けたほうがいい。

ここで気づいたのは、「3」という数字の異常な居心地のよさです。

この本(『なぜ、あの人の言葉は心に響くのか』)を振り返ってみてください。具体の階段は3段。映像チェックは3つの質問。感情の賞味期限は3分。怒りの因数分解も3つに分ける。

偶然ではありません。意図的にやっています。

2だと足りない。「大事なことが2つ」と聞くと、「もう1つないの?」と物足りなく感じる。起承転。序破急。過去・現在・未来。3つあれば流れが生まれます。

2つでは平面だったものが、3つ目が加わった瞬間に立体になっていくのです。