子供に勉強がつらいと言われたら、親はどんな対応をするといいか。東京大学大学院 情報学環 教授の山内祐平さんは「学校の勉強が難しく、つらいのはある意味当然だ。歴史をさかのぼると、エジプトや中国では、文字を書ける人、記録を作れる人は書記になり、さまざまな特権が得られた。ところが現代では、かつて一部のエリートだけがやっていたことをほぼ全員がやらなければならなくなっている」という――。

※本稿は、山内祐平『東大教授が教える AI時代の勉強法 高校生の未来をひらく最強の学び方』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

机に本を広げて勉強する女の子
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「どうして勉強するのか」と聞かれたら

「どうして勉強するのか」は、かなり手強い問いです。「どうして勉強するのか」「なぜ学び方を学ばなければならないのか」という疑問を抱いてしまうと、なかなか前向きになれないのではないでしょうか。

特に、勉強がつらく感じやすい中高生の時期には、「なんで勉強しなきゃいけないんだろう」という気持ちが出てくるのは自然なことです。保護者の方や先生たちも、この問いへの答えには困ることが多いでしょう。実際これは、大人にとっても簡単には答えられない難問なのです。

そもそも「どうして勉強するのか」という問いがなぜ出てきやすいのか、理由をもう少し掘り下げてみましょう。

私は学習について研究しており、よりよく学ぶための方法、特にICT(情報通信技術)を使った学び方を研究しているのですが、こういった研究の世界では勉強という言葉をあまり使いません。研究者は、学習という言葉を使います。

学習は学術用語であり、一般的には「経験の結果生じる永続的な能力の変化」と定義されます。少しかたい言い方ですが、言っていることはシンプルです。本を読んで新しい知識が頭に入り、その知識を忘れずに使えるようになれば、本を読む前よりできることが増え、能力が変化したといえます。また、字が書けるようになることやスポーツで技術が上達することも、経験を通じて能力が変わるという意味で学習といえます。