秋は受験に向けて模試が続く時期。子どもの成績や判定が悪かったとき、親はどう声がけすればいいのか。志學舎副塾長として受験生の親子に寄り添ってきた松澤保成さんは「高校受験でお母さんが心配のあまり強い言葉をかけ、子が勉強しなくなった家庭があったが、後日の声がけで子どもは再スタートを切れた」という――。

※本稿は、松澤保成『「自ら勉強する子」の親がしているたった1つのこと』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。

ストレスを抱えたアジア人の少年が家の机で勉強している
写真=iStock.com/Tomwang112
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テストの結果が悪かった場合の声がけ

テストや模試の点数がふるわなかった日、親御さんは胸がざわつきませんか?

「なんで、できなかったの?」
「もっとやっておけばよかったのに……」
「このままで大丈夫なの?」

言いたくないのに、言ってしまう。

将来が心配だからこそ、つい言葉が強くなってしまうかもしれませんが、点数が悪かった日のひと言こそ、子どもと親の信頼関係を深めるチャンスなんです。

模試で成績が下がった中学2年男子

ある中学2年生の男の子の話です。

模試の英語の点数が大きく下がり、塾に来たときにはうつむいたまま。

お母さんに結果を見せると、こう言われたそうです。

「最近ちゃんとやってた?」
「これじゃ受験、危ないよ」

悪気なんていっさいありません。心配だから言ってしまう。

多くの親御さんが同じ気持ちだと思います。

その夜、男の子は机に向かわずゲームをはじめました。

叱られたからではなく、失敗した自分にもう価値はないと感じてしまったからです。

点数が悪い日こそ「ここからだよ」

後日、お母さんは塾の勉強会に来たとき、「どう声をかければいいかわからない」と涙をこぼしました。

私はこう伝えました。

「点数が悪い日こそ、『ここからだよ』が響きます」

その後、お母さんは、こんな言葉をかけたそうです。

「悔しかったよね。でも、大丈夫。ここからだよ」

その瞬間、男の子はふっと笑いました。

「俺、もうちょいやってみるわ」

この言葉が、その子の「再スタートボタン」になりました。

点数が悪い日、子どもの心のなかでは、すでに自分を責めています。

「なんでできなかったんだろう……」
「もう無理かも..……」
「また怒られる……」

そんなときに親から追い討ちの言葉がくると、子どもの心は閉じてしまいます。

逆に、寄り添う言葉が届くと、子どもは安心して立ち上がれるようになります。