AI時代の勉強は何に気をつけるといいか。東京大学大学院 情報学環 教授の山内祐平さんは「生成AIを学習に使うときには、生成AIを人間の先生のように思い込んでしまうと、AIの嘘を見抜けなくなりかねない。AIは答えをくれる先生ではなく、学びを助ける道具として扱うといい」という――。

※本稿は、山内祐平『東大教授が教える AI時代の勉強法 高校生の未来をひらく最強の学び方』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

AIチャットボットと仕事をするビジネスマン
写真=iStock.com/Sandwish
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AIのアドバイスは人間とはまったく違う

最近はAI依存という言葉がニュースで出てくることもあります。生成AIを相談相手のように扱って頼り切ってしまう人が増えており、アドバイスに従って誤った選択をしてしまう事例もニュースになっています。

まず知っておいていただきたいのは、AIが人格や感情を持っているわけではないということです。AIは人間みたいに自然にしゃべるので、つい「わかってくれている」と感じてしまいますが、やっていることは人間とはまったく違います。

AIは、ごく簡単に言えば、インターネットなどから集めた大量の文章や画像、音声のデータを学習し、言葉や画像がどんな順番で現れやすいかというパターンをつかんで、次に来そうなものを予測して出しているだけなのです。

生成AIの実体は、人間の脳の神経細胞をまねたニューラルネットワークです。何層にもつながった小さな計算ユニットが、「この言葉の次はこれが来そうだ」と予測し、それを何億回も繰り返して文章を作る仕組みになっています。

シンプルにいえば、大量のデータを学習し、モデルを作って出力をしているだけですから、もちろん中身は人間とはまったく違うものです。賢く見えるけれど、人間のように世界を理解しているわけではありません。

学習とはパターン探しであって、正解を丸暗記しているわけではありません。そして、生成とは確率にもとづいて次に来そうなものを選ぶことです。入力するプロンプト(質問、指示、画像など)次第で、出力の質や内容も大きく変わります。

生成AIは、人間のように考えているわけではなく、学習したパターンからそれっぽく並べて出力する仕組みだと理解しておく必要があります。