日本の「曖昧な年齢基準」がもたらす課題
また、日本の少年マンガの作家は軽いノリで肌や下着を露出させるシーンを描きがちだ。これもレイティングが上がる要因だ。実際、過去には「12歳以下でもいいというレイティングだったのに、裸体表現がある」と図書館にクレームが来る、といったことが生じてきた。
日本でも「小学生や中学生も読むマンガ雑誌なのに表現が過激すぎる」といった批判は何度も巻き起こり、そのたびに各社が自主規制の水準を変更してきた。そのため、むかしと比べると少年マンガや少女マンガの暴力、性表現の自主規制はおおむねきびしくなってきている。
ただ欧米とは異なり、コミック出版社と図書館や書店のあいだで「おおよそこういう表現は何歳までは避ける」というコンセンサス、基準が設定されていない。児童書のように「何歳(何年生)以上推奨」と明示する商習慣が、マンガ業界ではポルノを除けば根付いていない。
パッケージからは「これは小学校低学年でも内容的に読めるのか、読んでいいのか」がわからない。つまり司書や教員からするといちいち中身をたしかめないと
「これは小学校に置いていいのか」
「児童書コーナー、ティーンズのコーナー、一般書の棚、どこに置くべきなのか」
「誰でも手に取れる開架にではなく、問い合わせがあったら書庫から出す閉架にすべきか」
が判断できない。保護者も自分の子どもの年齢に合っている作品なのかがわからない。
日本でもマンガ読書を学校や図書館、家庭に広げやすくするには、出版社側の工夫や配慮が不可欠だ。
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