なぜライブドア元社長の堀江貴文氏はマスコミに叩かれた揚げ句、逮捕されるに至ったのに、盟友の藤田氏は今も活躍を続けられるのか。ドッグイヤーと言われるITの世界で、主力事業を変えながら愚直に成功を積み重ねる生粋の起業家に、田原氏が素直な疑問をぶつけた。

コンテンツだけじゃネットで勝てない

1998年、24歳でサイバーエージェントを設立。当時の主力事業はインターネットの広告代理業。まだ無名だった堀江貴文氏と共同事業を展開していた。

【田原】藤田さんのところと、ライブドアはどこが違ったんだろう?

【藤田】技術力ですね。彼らは高かった。

【田原】そこがよくわからない。ブログの技術力ってなんですか?

【藤田】簡単に言うと、技術力がないとサーバが重くなって、アクセスして読み込むのに時間がかかるんです。ライブドアは、それが速かった。さらに画面の設計とか配置といったユーザビリティも向こうが上。ライブドアは、いつもわれわれの一歩先をいっていて、堀江さんの逮捕でイメージが悪化するまで、なかなか追いつけませんでした。

【田原】ライブドア事件は、藤田さんにどういう影響を与えましたか。彼とはライバルだったわけでしょう。

【藤田】ライバルであり、仲間でもありという感じですかね。僕たち、もともと一緒にやってたので。

【田原】えっ、そうなの?

【藤田】うちは広告代理店で営業力はあるけど、技術力はない。堀江さんのところは技術力があるけど、営業力は弱い。それでお互いに組んで事業をやっていたんです。それが当たって、うちもオン・ザ・エッヂ(ライブドアの前身)も00年に上場しました。それで資金力がついたので、別々にやろうと。