なぜか父親の育休は「夏」に増えていた
父親と母親が、年間のどの時期に育休を取っているのかを詳しく調べると、父親の育休には明確な特徴がありました。
父親の育休取得は、夏になると増えていたのです。
一方、母親の育休には、このような夏の集中はほとんど見られませんでした。
もちろん、夏に育休を取ること自体は何も悪いことではありません。子どもの学校や保育施設が休みになれば、父親が育児を担う必要も出てきます。
そこでゴンサレス准教授らは、「育児とは明らかに関係の薄いイベントがあったときにも、父親の育休取得が増えるのか」を調べました。
ここで利用されたのがスペイン人にとって非常に身近なイベントだったのです。
ワールドカップ開催中だけ父親の育休が…
2022年11月20日から12月18日まで、カタールでサッカー・ワールドカップが開催されました。
サッカー人気の高いスペインでは、多くの人がこの大会を楽しみにしていました。しかも、2022年大会は冬に開催されたため、通常の夏休みとは重なりませんでした。
さらに、スペイン時間では試合の多くが午前11時から午後8時の間に行われ、一般的な勤務時間と重なっていました。
ゴンサレス准教授らは、このワールドカップ期間中に父親の育休取得がどう変化したのかを、日単位で分析しました。
すると、驚くべき結果が出ました。
ワールドカップの開催期間中、父親の育休取得者数は、周辺の日と比べて1日当たり1000人以上増えていたのです。増加幅は約1.3%でした。しかも、この増加は母親の育休では確認されませんでした。
もちろん、この結果だけから「父親が育休を取ってサッカーを見ていた」と断定することはできません。
しかし、夏に父親の育休が増えること、育休を複数回に分ける割合が高いこと、パートタイム取得も多いこと、そして余暇イベントであるワールドカップの期間に取得が増えたことを合わせると、父親の育休の一部が、育児以外の目的にも使われている可能性が浮かび上がります。

