40%近くもの手数料が取られてしまう
一方、フードデリバリーの配達員は隙間時間をうまく活用してアルバイト感覚で働くことができる。Uber Eatsは副業ブームも追い風に順調に配達員を増やし、それに伴って売り上げも伸ばしてきた。
しかし、飲食店にとってネックになるのはフードデリバリーのプラットフォーマーに支払う手数料だ。タリーズコーヒー創業者で、元参議院議員の松田公太氏は2020年7月に配信された東洋経済オンラインのインタビューで、飲食店側からUber Eatsに支払われる手数料を38%と明かしている。
その後、松田氏は自身のSNSで正確な数字として37.8%と修正したが、取り立てて間違った数字ではないだろう。少なからず、これほど高い手数料を徴収されたら、飲食店が現状の価格で利益を出すことは難しい。
そうなると飲食店は値上げをせざるを得ず、その負担は注文者に転換されることになる。値上げによって店側は利益を確保できるが、その分だけ注文者が払う金額は膨らむ。注文者は自己のために利用しているのだから、値上げ分を負担するのは当たり前だが、問題はその先にある。
「街の破壊者」と呼ぶ声も
値上げをした結果、これまでだったら週3回注文していた人が週2回に利用を減らすといった現象が起きることになる。巡り巡って飲食店が機会損失となり、それは売り上げ・利益にも影響を及ぼす。
なによりもフードデリバリーのプラットフォーマーは基本的にキャッシュレス決済のため、街の飲食店にとってそれらの導入費用・手数料は無視できない。
また、キャッシュレス決済は売掛金となるため、すぐに店側に入金されない。個人営業の飲食店にとって現金決済は日々の回転資金にもなる。それだけに、キャッシュレス決済の導入は街の飲食店にとって資金繰りを悪化させる。これで立ち行かなくなる飲食店もあるだろう。
行政にとって、地元の飲食店は街をつくる共同体といった存在になる。一方、フードデリバリーのプラットフォーマーは得体も知れない企業で、言うならば街の破壊者でもある。
「フードデリバリーが栄えて飲食店が滅ぶ」と自嘲していた自治体関係者もいた。だから行政は、フードデリバリーのプラットフォーマーにいい顔をしていなかった。とはいえ、行政という官がグローバルに展開する企業を相手に経済活動で太刀打ちできるわけがない。それでも数少ない自治体が地元の飲食店保護を名目に、独自にフードデリバリーの事業に乗り出した。

