300億円投資で問われる継続的な収益力
静電チャックについて、データセンター需要増に伴う先端半導体市況は「引き続き好調」であると、TOTOの決算説明資料は記している。エアロゾルデポジション(AD)法で成膜したセラミックス膜を使うAD部材も、AI関連の需要が堅調に推移し、生産性の向上もあって増収となった。
だが、第1四半期のセラミック事業は計画未達に終わった。資料が挙げる理由は「サプライチェーン影響による出荷期ズレ」だ。急激な需要増に供給網が追いつかず、納入が第2四半期以降にずれ込んだ。
同社は、「一時的影響であり2Qで挽回予定」とする。需要調整局面で売上が急減した2023年度でも、営業利益率30%を確保した実績がある。ただ、為替の影響を除くと売上は前年比3%減、営業利益は12%減で、実質的には減収減益だ。
林氏は、「売上は確実に伸びる」と語るが、利益率の安定性までは明言していない。
それでも同社は、生産増強と次世代品の開発投資を計画どおり進める。設備が稼働すれば減価償却費が利益を押し下げる一方、NANDメモリーの市況は好不況を繰り返す。増産体制が整った頃に市況が悪化すれば、稼働率の落ちた設備と償却負担が残ると、テック・タイムズは警告する。
TOTOの清田徳明元社長は、「多少の浮き沈みはあっても、半導体は間違いなく指数関数的に伸び続ける」と語ったと、トムズ・ハードウェアは伝える。
30年の赤字に耐えた事業は今後、継続的な収益力を問われるフェーズへと変化しそうだ。


