便利グッズを駆使してしぶとく生きる
足腰が弱くなった、目がかすむ、耳もきこえづらい。おまけにボケまできてしまった。高齢になると、次から次へと不具合が出てくるものです。老化現象なので、仕方のないことなのですが、放っておいてはQOL(クオリティ・オブ・ライフ/生活の質)が下がってしまいます。
老化現象による障害を上手に乗り越えられる人ほど、いくつになっても元気で、重い要介護状態にもなりにくい傾向があります。そういったかたは、認知症になっても、進行が遅いですし、日々、やりたいことをやって楽しんでいることが多いです。おまけに、家族や周りのかたとも良好な関係を築いているように見受けられます。
では、どうしたらそんな風になれるかというと、ずばり、文明の利器、便利グッズを活用しまくればいいのです。
世の中には、高齢者の生活を助けてくれるものがたくさんあります。老眼鏡、補聴器、オムツ、杖、転倒防止シューズ、歩行器。スマホやパソコンも、通信手段として使っているだけでは、もったいない代物です。もっともっと使いようはあります。
特に認知症と聞こえは、密接に関係しているので、耳が遠くなったら、補聴器は絶対に使って欲しいと思っています。補聴器なんか年寄り臭くて嫌だというかたは、少し情報が旧いですよ。
最近の補聴器は性能が格段に上がっていますし、つけたところも、ほとんど目立たないものが主流です。イヤホンよりも小さくて耳の穴にすっぽり収まってしまうものもあるくらいです。気になるようなものではありません。
独居老人こそAIの恩恵は大きい
もちろん、補聴器のほかにも役に立つ道具はあふれています。
私の母は、文明の利器を上手に使いこなしているので、例としてその話をしましょうか。
母は、5年ほど前に大腿骨頸部を骨折しました。90代ですから、二度と歩けなくなってしまうと、寝たきりになることも覚悟していました。
しかし、母は辛抱強くリハビリを続け、手押し車などを使って、見事ひとりで歩けるようになったのです。母の笑っている顔を見たとき、私は「便利なものを利用して外に出るということは大事なのだ」とあらためて思わされました。
いまでは、車いすなのですが、今度は「車いすは楽でいいのよ」とご機嫌です。楽が一番。楽がいい! あと何年あるか分からない人生です。楽して笑っているのがいいのです。そのためには、どんなものでも利用してしまうのがいいでしょう。
今後、高齢になっていく私たちの生活に必要となってくるものはテクノロジー(科学技術)です。
AI(人工知能)ロボットが、独居老人と暮らしている様子を想像してみて下さい。
ベッドに入ってから電気を消してと声をかければ消してくれ「今日は病院へ行く日です」「9時5分のバスに乗ります」とスケジュールも教えてくれます。
「薬を飲んで下さい」「飲みましたね」と服薬管理や血圧測定もしてくれるはずです。もちろん、異常があれば、かかりつけ医に連絡をしてくれたりもします。戸締りや火の元の心配もなくなります。
こんなロボットがいたら、認知症であってもひとり暮らしがしやすくなります。ついでに雑談にも付き合ってくれるし、相槌もお手のもの。夢の話ではなく、これくらいのロボットならすぐにできるのです。

